魔法の理屈



魔法の紹介

前回まで見てきた分類方法は、いろいろな魔法から集めたものです。 では、実際にはどのような魔法があるのでしょうか?

単体の魔法を見ていては訳が判らなくなるので、 主な種類ごとにいくつかまとめてみてみます。

呪文(スペル)

構成要素言語, 音声(, 思念)
パワーソース魔力物質, 精神力

呪文を詠唱する(=唱える)ことで魔法を発動させるもので、 ファンタジーの魔法のなかでは、最もクラシックなものの一つです。
その「呪文」は、単語単位のものから詩の1節程の長さのものまで、 様々です。

呪文の詠唱が必要なため、 声を出せない状況、例えば水中などでは、 術者は無力化してしまいます。 多くのRPGで「沈黙」が魔法を封じられた状態を表すのは、 この呪文の要素が大きく関わっているからです。

呪文に使われる言語もいろいろありますが、 現代語,古代語, 魔法言語などと呼ばれるものが多いようです。
また、魔法言語は実は古代語だったということもあります。

現代語, 古代語というのは、実際にそれぞれの時代に使われていた言語で 呪文を作り上げたもので、 多くの世界では古代語の方がより強力とされています。

魔法言語は魔法の為に特化した言語で、 日常の会話に使われる事は、普通はありません。
しかし、“古代語=魔法言語”という世界もありますし、 実際は異世界の言語ということもあります。

神聖魔法, 奇跡

構成要素思念(, 言語)
パワーソース上位存在, 精神力
属性二元(光または聖)

その世界で神聖とされているもの(≒神)の力を借りて行使する魔法です。 力を借りる方法は主に「祈り」ですが、 神聖な意味を持った物, 行動を組み合わせることが必要だったり、 また不要でも、効果を高めるのに有効であったりします。

神聖魔法はその特性から、 主に聖職者や聖者, それらに順ずる者が使用します。 これらに該当しない者が神の力を借りることは容易ではありません。 そのような者が神に祈ったとしても、 祈りは滅多に届かないか、効果がごく小さいかで 殆ど使い物にならないでしょう。
「困った時の神頼み」が通用することは少ないのです。

紋章術(クレストソーサー)

構成要素紋様(, 思念, 言語)
パワーソース魔力物質, 精神力

魔術的な意味を持った図形である「呪紋(紋章)」によって 術を構成する魔法です。 (「呪紋」は「呪文」とよく似ていて紛らわしいので、 ここでは紋章に統一します。)

紋章は意味的には儀式に使われる魔方陣を そのまま小さくした様なもので、 この術自体が儀式魔法を簡略化したものという 位置付けになっていることもあります。

儀式魔法の名残からか、 紋章術には紋章のほかに呪文を必要とするものも多くあります。 この場合、術の意味, 内容は紋章に依存しますが 術の行使, 制御は術者に委ねられます。

錬金術(アルケミー)

構成要素物質
パワーソース魔力物質

ある物質から、別の物質を生み出す魔法です。 一般的には鉄や銅などの卑金属から金を生み出す為の 魔術として知られており、現代の化学の基礎となりました。

その効果は薬や毒霧などを発生させるなど、 間接的なもの, 特殊なものが多くありますが、 直接攻撃や回復などの魔法もあり 意外と幅広い用途に使えます。

しかし、錬金術を使う為には、目的の魔法に合わせて 材料となる物質が必要になります。 これは秘薬などと呼ばれることもある様です。
その中には、上で挙げたような卑金属や薬草(毒草)など 身近なものもありますが、 マンドレイクや聖遺物など、伝承上のものや 普通には手に入らないものも少なくありません。
強力な魔法は何回も使えないのです。

錬金術師(アルケミスト)の真の目的は 完全なる物質「賢者の石(エリクサー)」を生み出すことで、 金の生成はあくまでその過程に過ぎないそうです。 もし賢者の石を作り出すことができれば、 錬金術は最高の魔法のひとつになるでしょう。


ここではほんの一部の魔法を紹介しただけで、 ほかにも様々な魔法が存在します。 その特性を理解し、 豊富なバリエーションを楽しむことができると良いですね。